当院での治療の特徴

験豊富な構造的心疾患治療ハートチームと脳卒中専門医の先生方と連携して患者様の治療にあたります。基礎疾患である心房細動に対する治療も併せて検討し必要に応じて行います。

治療説明

心耳閉鎖のカテーテル治療
心房細動という不整脈を有している方がこの治療の適応になります。心房細動の患者さんは心房内の血液がよどむため血栓ができやすい状態となります(この血栓のほとんどが左心房内の左心耳という部位にできることが知られています(図1))。この血栓が全身に移動することで(脳梗塞などの)塞栓症を引き起こすため、リスクの高い方は血栓ができないように抗凝固剤の内服が推奨されています。しかしながら抗凝固剤を内服することで血栓ができにくくなる一方で出血をしやすくなり、場合によっては生命を脅かすような大きな出血を起こすことがあります。したがって、この治療は抗凝固療法が必要にもかかわらず、出血のリスクも高い方が適応となります。図2のような形をしたデバイスを血管を通して左心耳(血栓の好発部位)まで運び、その入り口をふさぐように留置します(図3)。

この治療が実際実施可能かどうかの判定が極めて重要であるため、術前に経食道心エコーという胃カメラのようなものを飲んでいただいて行う検査および造影CTをすることで左心耳の形状をチェックします。
実際のカテーテル治療は、全例全身麻酔で行い、治療時間は1-2時間ですが、左心耳の形状によって変わります。全ての治療ステップは、経食道心エコーで確認しながら進めていきます。治療後、比較的速やかに通常の生活に復帰することが可能となります。

(図1)

(図2)

(図3)

入院日数(入院の流れ)

  • 入院日数:3泊4日
  • 入院翌日にカテーテル治療 → 集中治療室泊
  • 治療翌日:検査(レントゲン、採血、心電図、心エコーなど)、歩行など心臓リハビリ開始、一般病棟へ戻る
  • 治療二日目以降:心臓リハビリを継続し、状態により術後2日〜4日で退院となります

実施医

  • 大野 洋平
  • 上岡 智彦

  • 宮本 淳一

  • 村上 力(エコー)
  • 堀之内 仁美(エコー)

実績

  • 2019年11月より開始、これまでに5例実施